昨日の「温度差の巻き込み」から、今日の「一見、損な役割」への問い

昨日は、理想と現実のギャップに悩むリーダーに向けて、全員に完璧な技術を求めるのではなく、全体の「楽しむ仕掛け」を作り、強固な土台で支える「巻き込み型マネジメント」についてお話ししました。自分が誰よりも場を面白がることが、周囲を本気にさせる最高のスパイスになる、という気づきをお届けしましたね。

しかし、そうやって周囲を巻き込んで前向きに活動していると、今度はまた別の「理不尽な役回り」が回ってくることがあります。 「どうして自分ばかり、利益の出ないボランティアや面倒な役目を押し付けられるんだろう」 「一生懸命やっているのに、目先の損ばかりしている気がしてモヤモヤする……」

今日は、娘が通う小学校のグラウンド整備を「驚くほどの値引き」で引き受けた舞台裏と、週末に届くキッチンカーの新しい仕込み。この二つのエピソードを一本の強力な軸で繋ぎ、一見すると損に思える出来事を、未来の「信頼」と「影響力」という特大の資産へ転換していくための大人の捉え方のコツを共有します。

100マイルの善意と、引き算で勝負する「きなこもちアイス」

今日という日は、娘が通う小学校からの、ある相談から始まりました。 「グラウンドの傷みが激しいので、プロの技術で綺麗に整備してもらえないだろうか」

普通に業者に頼めば、一生モノの投資に近い本格的な見積もりになる大仕事です。会社の利益を最優先するなら、きっちり満額を請求するのが正解でしょう。しかし、私はデスクの上で電卓を叩きながら、ニヤリと笑って大胆な決断を下しました。

「よし、見積もりから驚くほどの金額を値引きして、ほぼ実費だけのボランティア価格で引き受けよう」

周りから見れば「そんなの赤字じゃないか」「損をして何になるんだ」と言われるかもしれません。けれど、私の頭の中には別の計算式が立っていました。 「これを『変なことを押し付けられやがって』と腐るか、それとも『地域の貢献と自分の知名度を上げるチャンス』として使うか。要は、捉え方一つなんや」

午後は実際に現場へ赴き、子どもたちの元気な声を聞きながら泥臭くグラウンドを整備しました。プロの重機を動かし、土を平らにならしていく。汗を流しながら、この活動が回り回って「あのパパ、すごいな」「あの人の言うことなら信頼できる」という、お金では絶対に買えない無形の信頼貯金になっていくのを確信していました。

その「損を徳に変える」引き算の美学は、日中に進めていたキッチンカーのメニュー開発にもピタリとハマりました。 9月のイベント出店に向けて、これまで手間の多さに頭を悩ませていた「かき氷」をあえてお休みすることにしたのです。代わりに仕込んだのは、ディッシャーでキュッとすくうだけで提供できる「業務用アイス」。 仕入れサイトを覗きながら、フランクフルトと一緒に、「つぶもちきなこもちアイス」といった少し変わったフレーバーを手頃な予算で発注しました。

「オペレーションの面倒くささ(損)」を引き算して、その分「最速でお客さんを笑顔にする時間(徳)」に変える。

夜、新しく立ち上げる「コミットバンド」の規約を練りながら、「練習は自宅で完璧に終わらせてくること。合奏は音を合わせるためだけの場所」という、厳しい規律をあえて書き込みました。 一見、メンバーに負担(損)を強いるようですが、それこそが本番で最高の快感(徳)を味わうための唯一のチケット。 すべての実務も、趣味も、子育ても。目の前の「損」の裏側にある「本当の価値」を見抜いたとき、私の心はどこまでも軽やかになっていきました。

目先のマイナスをプラスに変え、人生の主導権を握る3つの捉え方

面倒な仕事を頼まれて心が折れそうな時や、割に合わない役割にイライラしてしまう時に試してほしい大人の思考法です。

  1. 「損」を「未来の信頼貯金」に脳内翻訳する 目先の金銭的利益だけで動いていると、人間関係もビジネスもいつか頭打ちになります。「頼まれごと」をされた時は、「未来の影響力と信頼を買いに行く投資のチャンスだ」と捉え直してみましょう。笑顔でサクッと引き受ける姿が、あなたの器を何倍も大きく見せてくれます。
  2. 手間の「引き算」で、最大の満足度を生み出す(アイスの法則) あれもこれもと手を広げて、自分で自分の首を絞めるのはやめましょう。キッチンカーのかき氷を「業務用アイス」に変えたように、自分が消耗する面倒な工程を徹底的に削ぎ落とし、相手が一番喜ぶポイントだけにエネルギーを集中させること。これが、お互いを幸せにするスマートな段取りです。
  3. 「厳しいルール」を「本気で楽しむためのパスポート」にする チームや家庭で、なあなあな空気を変えたい時は、あえて守るべき一線を明確に引きましょう。バンドの「練習は家でしてくる」という規約のように、「ここを乗り越えたら、最高に面白い景色が待っている」という納得感のあるルールは、メンバーの当事者意識を劇的に引き上げます。

明日は、週末に届く「秘密の食材」を心待ちにする朝

「パパ、今日グラウンド綺麗にしてくれたの? 走るのめっちゃ速くなった気がする!」 夜、お布団に入った娘が嬉しそうに報告してくれました。その誇らしげな笑顔を見られただけで、私の「信頼貯金」の手形は、すでに十分すぎるほどのボーナスを生み出してくれています。

さて、明日は学校側がグラウンドのトラロープの再設置をどう判断するか、その連絡を待ちつつ、本業の書類不備をスマートに片付ける予定です。 そして、週末の土曜日には、ネットで注文した「チーズ入りフランク」や「きなこもちアイス」が我が家に届きます。日曜日には、家族全員を巻き込んで、最高の試食パーティーという名の「仕込み」を始めるつもりです。

皆さんの明日が、目の前の面倒な作業に心を曇らせることなく、「これをどうやって面白い未来の種に変えてやろうか」と、不敵な笑みを浮かべながら突っ走れる一日になりますように。

それでは、また明日!