トロンボーンの音色
トロンボーンにとって音色は最高の武器だと思います。
トロンボーンはスライドで音を変える楽器でトロンボーンとは違う楽器の初心者・中級者を比べた時に早く演奏することに関しては劣ってしまいがちです。(プロでもその傾向はあると思いますが)
トロンボーンで高い音が出るといってもそれ以上の音域にトランペットが君臨しています。がんばって高い音をだしてもトランペットには負けます。
低い音を出しても更に低い音域にはチューバがいてそれも負けてしまいます。
ですが今まで言ってきたのはただの音域の話です。
トロンボーンの高い音にはトランペットにはない色気と温もりがあります。フォルテの低温にはチューバには出せない迫力があります。
これらは音色です。
トロンボーンの色気や迫力などはすべて音色が関わっています。小汚い高音を吹いても色気なんてないし、ただバリバリと低音を吹いても迫力なんてありません。
ですのでトロンボーンにとって音色は最大の武器なのです。
音色をよくするには
音色を良くするにはまずいい音色を知らなければなりません。ただ闇雲に練習をしてもいい音にはならないと僕は思います。
いい音のイメージ。多くの講師はすきなトロンボーン奏者の音をイメージしてといいます。
高校生からトロンボーンを始めた僕ですが、30歳手前になるまでトロンボーンの音色を好きとは思っていませんでした。それはなぜか。テレビから聞こえてくる管楽器の音なんてトランペットとサックスくらいしかないじゃないですか(笑)
僕ははぐれ刑事純情派やスタートレックのテーマのようなトランペットのハイトーンの音色が好きでした。(今でも大好きです)
ですので練習の時にはきっとそんな音をイメージして練習していたんだと思います。
ある日、中川英二郎というトロンボーン奏者の音を聞いたときにビビビッときました。
トランペットハイトーン奏者のエリック宮城さんと共演している中川英二郎さんの映像でエリックさんはハイトーン、中川さんにはアドリブのところに見せ場がありました。
最初はエリックさんのハイトーンのメロディー、かっこいいな~と思いながら聞いていました。アドリブソロ回しのところで中川さんの演奏がはじまりました。
その音を聞いた瞬間電撃が走りました。かっこいいいいいいいい!
エリックさんの音を食ってる。
トランペットよりかっこいいと思えるトロンボーンの音にやっと出会えた瞬間でした。
そして思ったのです。電撃が走るくらいかっこいいとか素敵とか思える音に出会えて初めて音色のイメージができるんだなと。
これまでは何となくいい音と思われる音をふわっとイメージしながら練習してましたが、電撃が走ってからはこれだ!という明確なイメージをもって練習することができています。
特にトロンボーンを始めた若い子達に伝えたいです。
いろんな音楽を聴いてください。吹奏楽をしてる人が多いと思いますが、いろんなジャンルのロックでもラテンでもなんでもいいです。吹奏楽に囚われないでください。自分に電撃が走る音色に出会えると思います。