昨日は、すり減った心に「連鎖反応」を起こして、なんとか仕事を動かすための知恵についてお話ししました。自分をなだめ、すかし、ようやく重い腰を上げた……そんな大人の事情など、子どもたちには関係ありません。

今朝の私のエンジンを無理やり回したのは、静かな内省ではなく、玄関先で響いた「パパ、キッチンカー連れてって!」という全力の直訴でした。

仕事には行かなければならない、でも、キラキラした目で(時には涙をためて)訴える子どもを突き放すのも忍びない。「連れていきたいけれど、仕事にならない」という、働く親なら誰しもが一度は直面する「究極の板挟み」

今日は、そんな朝のドタバタ交渉劇から、子どもに「納得」してもらいつつ、親が自分を責めずに現場へ向かうための処方箋を考えます。

「楽しい」だけじゃない。仕事の現場という名の“聖域”をどう伝えるか。


今日の我が家のロビーは、さながら高難度の外交交渉の場のようでした。 これからキッチンカーの仕事へ向かう私。そこへ「私も行く!」「二人で行く!」と、元気いっぱいの姉妹(長女と次女)が立ちはだかります。

「二人一緒は、さすがにパパ一人では見きれないんだよ」 「途中で『帰りたい』って言っても、お仕事中だからすぐには帰れないよ」

私はあえて、楽しいピクニックではないという「現実」を突きつけました。子どもを仕事場に連れて行くことは、教育的にも素敵なことですが、そこには明確な「責任」と「ルール」が伴うからです。

交渉の鍵となったのは、我が家の最終決定権を持つ「ママ」の存在でした。 「ママに許可をもらっておいで」というルール。これは単なる責任転嫁ではありません。家族という組織において、「一人の独断ではなく、みんなで決めたこと」という合意形成のプロセスです。

ママから出た「好きにしなさい」という言葉。 子どもは「いいよ」と解釈して喜びますが、私はあえてその言葉の真意を補足しました。「それは『いいよ』じゃなくて、パパとママが困ることを分かった上で、それでも自分たちで責任を持てるならやってごらん、っていう意味だよ」と。

結局、今日は一人だけが同行し、もう一人は涙のお留守番。 「パパがダメって言ったんだ……」としょんぼりする背中を見送るのは、何度経験しても胸が痛みます。でも、その痛みは、親が真剣に仕事と向き合っている証拠でもあるのです。

「板挟みの朝」を乗り越え、親子の納得を引き出す3つのコツ


仕事の都合と子どもの気持ちを天秤にかけ、心が折れそうな時に試してほしい考え方です。

「最悪のシナリオ」を事前にプレゼンする 子どもは楽しい想像しかできません。だからこそ、「喉が乾いてもすぐにジュースは買えない」「パパがお客さんと話している間はずっと待機」など、現場での「不自由さ」を具体的に伝えましょう。それでも行くと言うなら、それは一つの「覚悟」になります。

「外部のルール」をクッションにする 「パパが嫌だから連れて行かない」のではなく、「お店のルールで決まっている」「ママと相談して決めた」という第三者の視点を入れましょう。親個人への不満が「決まり事」への理解に変わり、感情的な対立を避けることができます。

「好きにしなさい」を翻訳してあげる 大人の曖昧な言葉(「勝手にしなさい」「いいんじゃない?」)は、子どもに誤解を与えます。親がどう感じているのか、なぜ懸念しているのかを、「翻訳者」として丁寧に解説しましょう。「放任」ではなく「信頼と責任」の話に昇華させることが、子どもの自律心を育てます。

「パパ、今日キッチンカー」その言葉の重みと誇り。


一日の始まりに、お子さんが言った「パパ今日キッチンカー」という言葉。 彼女たちは、パパがどこかへ「遊び」に行っているのではなく、誰かのために何かを届ける「お仕事」をしていることを、ちゃんと理解し始めています。

連れていけなくて泣かせてしまった朝も、それは「仕事は真剣なものだ」という無言の教育の一部になっているはずです。そして、次の一緒に行ける日が、子どもにとっては何倍も特別な宝物になります。

さて、明日は現場の段取りを組み直しつつ、今日同行した子がどんな「仕事の風景」をその目に焼き付けたのか、ゆっくり聞いてみたいと思います。

皆さんの明日が、仕事への情熱と子どもへの愛情、その両方を誇れる一日になりますように。

それでは、また明日!