昨日は「10万円の激マズワイン」を例に、サンクコスト(注ぎ込んだ未練)を断ち切る「損切り」の大切さをお話ししました。不味いと分かったら、被害が広がる前に手放す。それは、自分の「時間」と「心」を守るための英断でしたね。

しかし、今日はその真逆。 「10倍以上の金額を払ってでも、絶対に手に入れなければならないもの」に出会ってしまったら、あなたならどうしますか?

「資材の高騰で仕事の利益が削られ、将来が不安……」 「やらなきゃいけないことに追われて、自分の情熱が枯れそう」

今日は、日本に一本と言われる伝説の楽器との出会い、そして「やらないことを決める」という究極の仕事術について。葛藤の末に掴み取った「一生モノ」が、いかに人生の地盤を固めてくれるか、そのヒントをお届けします。


高騰する現実と、130万円のトロンボーン

今日という日は、まさに「冷徹な数字」と「燃えるような情熱」のせめぎ合いでした。

午前中は、世界情勢による原材料費の度重なる値上げ通知に、頭を抱えていました。 「また1000円上がるのか……」 コントロールできない外部要因で利益が削られるストレス。経営者として、現場の段取りを組みながらも、どこか心がすり減っていくのを感じていました。

そんなトゲトゲした空気を一変させたのは、一本のトロンボーンとの出会いでした。 それは、世界最高峰の奏者が選定した、日本に一本しかないと言われる伝説的なモデル。価格は約130万円。 「今、これを逃したら二度と出会えない」 理屈ではなく、細胞がそう叫びました。資材高騰で苦しい時期だからこそ、自分の魂を震わせる「音」が必要なんじゃないか。

私は、迷わずカードを切りました。

大きな投資を決断した後の心は、不思議と凪いでいました。 夕方、長女が逆立ちを自慢げに披露し、次女が「うまく絵が描けない」と泣きじゃくるのをなだめながら、私は部下からの深刻な相談にも、驚くほど冷静なアドバイスを送ることができました。

「まずは、『やらんこと』を決めなさい。リソースが足りないなら、全部やろうとするのはバカ野郎や」

130万円の楽器という「自分にとっての正解」を掴んだことで、他人の悩みに対しても、本質的な「引き算の美学」を説けるようになっていたのです。


「情熱」を燃料に変え、タスクの波を乗りこなす3つの知恵

「自分を犠牲にしている」と感じ、エネルギーが枯渇しそうな時に試してほしい考え方です。

  1. 「一生モノ」には、ROI(投資対効果)を超えた価値がある 「今は時期が悪い」と自分に言い訳をして、本当に心ときめくものを後回しにしていませんか? 130万円のトロンボーンのように、自分の魂を潤す投資は、明日からの仕事のパフォーマンスを何倍にも引き上げます。 迷った時は「これを手にした自分は、どれだけご機嫌で働けるか?」を基準にしてみてください。
  2. 「やらないことリスト」から始める働き方改革 人員不足や忙しさにパニックになったら、まず**「絶対にやらないこと」を3つ決めてください。** 根性論で残業を増やすのは、不味いワインを飲み続けるのと同じです。できないことは「できない」と上に伝える。それが、組織を健全に保つための「大人の責任」です。
  3. 子供の「涙」を「感受性」として肯定する 「絵がうまく描けない」と泣く次女に、無理に描かせる必要はありません。**「うまく描けないと悔しいと思えるほど、あなたの心は豊かなんだよ」**と受け止めること。仕事でも、失敗して落ち込む自分を「それだけ本気なんだな」と肯定してあげるだけで、回復のスピードは劇的に上がります。

明日は、伝説の音色を響かせる朝

「パパのカード、限度額大丈夫?」なんて冗談はさておき、手元に届く新しい相棒が、これからの音楽活動やキッチンカーのイベントにどんな魔法をかけてくれるか、今からワクワクが止まりません。

さて、連休明けには重機を使った大きな整地作業が待っています。 でも今の私には、伝説のトロンボーンで奏でる「自分だけの音」という最強の味方がいます。

皆さんの明日が、誰かの決めた価値観に振り回されることなく、自分にとっての「本物」を選び取れる、誇らしい一日になりますように。

それでは、また明日!