「今日一」の奇跡と、死んだうどん。完璧主義なパパが本番のステージで見つけた「心の余裕」の作り方。
皆さんは、一日のうちに「最高!」と「なんでやねん……」が交互にやってくるジェットコースターのような日を過ごしたことはありますか?
私の今日は、まさにそんな一日でした。 音楽家としてのプライドが試される本番のステージ、うどん県民としての矜持が問われるランチ、そして父親としての忍耐(?)が試されるお風呂タイム。
何足ものわらじを履き替えながら駆け抜けた、ある日の記録をお届けします。
「理想と現実」の狭間で揺れる、本番前の静かな格闘
今日は、とあるピアノ発表会の舞台で、4人編成のアンサンブルを披露する本番当日でした。 朝から私の心の中は、穏やかなパパの顔と、ピリピリとした演奏家の顔が激しく入れ替わります。
リハーサルの合間、つい漏れた本音。 「思ったように吹けてない。……自分にイラっとするんだよ」
高い基準を自分に課しているからこその葛藤。ですが、不思議なことに、本番直前のリハーサルで「これだ!」という感覚が降りてきました。 仲間と息がぴったり合い、音色が溶け合う瞬間。 「今日一番の演奏は、間違いなくこの一発目だったな」と確信できるほどの集中力。この「今日一」の感覚があるからこそ、音楽はやめられません。
本番は、その自信を胸にステージへ。 完璧を求めるあまり焦るのではなく、今この瞬間、仲間と音を紡げる喜びを大切にする……。そんな「心の余裕」が、結果として素晴らしいステージを演出してくれました。
うどん県民の悲哀:釜揚げと湯だめの深すぎる溝
興奮冷めやらぬランチタイム、私たちは地元のうどん屋へ。 ここで私は、同行した仲間に「うどんの基礎知識」を熱弁してしまいました。
釜揚げ(Kama-age): 釜から上げたての麺を、水で締めずにそのままドボン。小麦の香りがダイレクトに届く。
湯だめ(Yudame): 一度冷水で締めた麺を、再びお湯で温めて提供する。コシと温かさのハイブリッド。
「この違いが分かってこそ、真のうどん好きだよ」なんてドヤ顔で解説したものの……。 残念ながら、今日目の前に現れた麺は、コシが抜けて「死んで」いました。 完璧な演奏の後に、完璧でない麺。人生、なかなか計算通りにはいきませんね(笑)。
「金持ち喧嘩せず」と、お風呂キャンセル界隈の住人
帰りの車中、運転中にフラフラと危なっかしい車に遭遇しました。 思わずクラクション……とはならず、私はハンドルを握り直して自分に言い聞かせます。
「金持ち喧嘩せず、危うきには近寄らず、だ。」
これは単にお金の話ではなく、「心の豊かさ」の話。余計なトラブルにエネルギーを割くより、安全に家族のもとへ帰ることの方が何倍も価値がある。そんな自分なりの哲学が、本番後の昂った神経をスッと落ち着かせてくれました。
帰宅すれば、そこはもう一つの「本番会場」。 娘から飛び出したのは、最近の流行り(?)を取り入れた一言。 「パパ、今日はお風呂キャンセル界隈だって」
お風呂に入りたくない言い訳を、そんなユーモラスな言葉で包んでくるなんて。 朝から「家でしゃぶしゃぶしよう!」と提案していた彼女ですが、結局夜は打ち上げを兼ねた焼肉へ。マジカルバナナで盛り上がり、今日一日の出来事を笑い飛ばす。そんな賑やかな食卓が、ステージの緊張感を一番の癒やしに変えてくれました。
結び:リハビリの先にある「また一緒に」
今日、もう一つ嬉しい知らせがありました。 病気でリハビリを続けている大切な音楽仲間が、あと一ヶ月ほどで帰ってこられそうだという見通しです。 「またみんなと一緒に演奏したい」 その強い意志が、リハビリを支えている。
今日の私の「イラつき」なんて、彼女の抱える困難に比べればちっぽけなものです。 完璧な演奏も、美味しい(あるいは残念な)うどんも、家族とのふざけ合いも。 すべては「また明日、誰かと何かを作れる」という贅沢な土台の上に成り立っているのだと、改めて気づかされた一日でした。
皆さんの明日は、どんな「今日一」が待っていますか? たとえうどんのコシがなくても、笑って過ごせる余裕を忘れずにいたいものですね。
それでは、また次回の更新でお会いしましょう!
