【脳内パンパンの処方箋】大切なものを失くした朝、タスクの波に飲み込まれないための「思考の断捨離」術
昨日は、アマチュア意識を捨てて「プロ」として対等に渡り合うための交渉術と、自分を客観視する勇気についてお話ししました。しかし、プロとして背負うものが増えれば増えるほど、私たちの脳内は「責任」という名の荷物でぎゅうぎゅうになっていきます。
「あれ、どこに置いたっけ?」
「小さなトラブルが重なって、本来の仕事に集中できない」
「趣味の仲間と、どこまで高い目標を共有していいか分からない」
今日は、愛用のレンズを紛失したという「小さな喪失」から始まった一日を通して、パンパンになった脳内を整理し、自分を取り戻すためのヒントをお届けします。
消えたパンケーキレンズと、80トンの重圧
朝一番、私は愕然としました。愛用していた薄型の「パンケーキレンズ」が見当たらないのです。昨日、1時間もかけて探したのに出てこない。この「小さな、でも確実な喪失」は、一日の始まりに暗い影を落とします。
しかし、感傷に浸る暇はありません。現場監督としての私の携帯は、鳴り止むことを知らないからです。
明日の現場には80トンを超えるアスファルト合材が届き、5台の大型トラックと6人の警備員が動き出します。さらには、来週の離島でのプロジェクト。天候次第では、当日の朝に判断を下さなければならない……。
そんな極限のマルチタスクの最中、追い打ちをかけるように「後出しの指摘」が入ります。
「ヘルメットのロゴが……」「これ、水漏れですか?」
プロからすれば「なぜ今それを?」「見れば分かるだろう」と言いたくなるような些細な確認。
「俺の頭の中は、こういう小さな『面倒くさい』が積み重なって、もうぎゅうぎゅうなんだ」
思わず仲間へ漏らしたその本音は、現代を生きる多くのリーダーが抱える共通の叫びかもしれません。
夜、家に帰ると、娘たちが描いた「困っているお母さんの絵」について賑やかに語り合っていました。
「仕事中に邪魔されて、困ったわあってお顔だよ」
子供たちの鋭い観察眼と、国歌に込められた「永遠の繁栄」を教える静かな時間。
レンズを失くし、タスクに追われた一日の終わりに、私の脳内の「ぎゅうぎゅう」は、ようやく少しずつ解けていきました。
「脳の容量」を空け、パフォーマンスを最大化する3つの知恵
タスクの波に飲み込まれそうなとき、明日から試してほしい思考の整理術です。
「脳内スペース」を仲間にプレゼントする
仕事を振る際、「これをやって」と作業を渡すのではなく、「俺の脳内のこのスペースを1個分あげるね」と言ってみてください。相手に「単なる作業」ではなく「リーダーの負担を減らすという価値」を感じてもらうことで、お互いの信頼関係が深まり、自分の脳には確実に余白が生まれます。
趣味の組織には「マイクロPDCA」を
高いレベルを目指すあまり、趣味の仲間との温度差に悩むことがあります。その解決策は、全体への高い要求ではなく、担当者ごとに「この4小節だけ完璧に合わせよう」という極小のプラン(P)を立ててもらうこと。小さな成功体験が、義務感ではない「自発的な向上心」を育てます。
「前金制」でリスクとストレスを未然に防ぐ
ビジネスでも人間関係でも、後から「話が違う」となるのが最大のストレス源です。不安な案件には、最初に明確な条件(前金や期限の明記)を提示すること。これは冷たさではなく、「最後まで気持ちよく仕事を終えるための、プロとしての優しさ」です。
失くしたものより、今ここにある「重み」を
結局、レンズは見つからないままかもしれません。でも、代わりに私は「仲間に頼ることの心地よさ」と「娘が教えてくれた観察眼の大切さ」を再確認しました。
形あるものはいつか無くなりますが、今日現場で敷いた80トンのアスファルトのように、私たちが積み上げた「決断」の跡は確実に残ります。
さて、明日は午前9時から、いよいよ本番の舗装工事が始まります。雨の気配も気になりますが、月曜日には離島プロジェクトの大きな決断を下さなければなりません。
皆さんの明日が、脳内のノイズを払い落とし、本当に大切なことにフォーカスできる一日になりますように。
それでは、また明日!
