【現場の知恵】トラブルは「本質」を見極めるチャンス。大規模工事の試練を救った、折れない心の「リカバリー術」
昨日は、手違いで解凍されてしまった110個のパンを前に、「これは新メニュー開発のチャンスだ!」と発想を転換するお話をしました。ピンチを創造性に変える力。それは、私たちが予測不能な毎日を生き抜くための最強の武器です。
しかし、人生のテストはさらに難易度を上げてやってきます。
「84トンの材料を扱う大規模工事の最中に、メインの機械が故障した」
そんな、笑い飛ばすには少し重すぎる現実に直面したとき、私たちはどう振る舞うべきでしょうか。
今日は、絶体絶命の現場トラブルを乗り越えたエピソードから、「ルールや形に縛られず、物事の本質を掴んで最短で解決する力」についてお届けします。
「人生終わった」の隣で、泥まみれのリカバリー。
今朝の我が家では、次女に大切なおもちゃを壊された長女の悲痛な叫びが響いていました。
「人生終わった……」
子供にとっては世界の終わり。でも、大人の世界でも、似たような「終わった」感が漂う瞬間があります。
それは、84トンもの舗装材(合材)を敷き詰める大規模な現場でのこと。
朝から段取りミスで人員が足りないことが発覚し、私は即座に各所へ連絡。なんとか手配を整え、怒涛の勢いで作業を進めました。しかし、ドラマは最後に待っていました。
全作業が終わる、まさにその瞬間。
舗装の要である重機「フィニッシャー」が、最後の一踏ん張りで動かなくなったのです。
現場に流れる、凍りつくような沈黙。「ここで止まるか……」という絶望感。
しかし、私は今朝、子供たちに話した「シートベルトの哲学」を思い出していました。
「シートベルトをしてアクセル全開で走るのと、ベルトはしてないけれどゆっくり慎重に走ること。どっちが本当に安全か。大事なのは形(ベルトの有無)じゃなく、本質(安全な運転)だろう」
機械が壊れたという「形」に絶望しても意味がない。本質的な目的は「現場を無事に終わらせ、機械を安全に事務所へ戻すこと」だけ。
私は冷静に、別の重機(ユンボ)を呼んで故障機を牽引し、トラックに積み込み、事務所へ移送する手配を整えました。
夜には一転、バンドの仲間とキッチンカーの新メニュー「ガーリックトースト」の試作に没頭。
「音楽も料理も、最後は勘(本質的なセンス)や!」
そんな風に、仕事の重圧をクリエイティブな情熱で上書きする。そんな、目まぐるしくも充実した一日でした。
パニックを防ぎ、最短で「正解」に辿り着くための3つの思考法
想定外のトラブルに襲われたとき、自分を失わずに解決へと導くためのコツです。
「形」ではなく「本質的ゴール」を再定義する
「機械が直ること」をゴールにすると、直らない現実に絶望します。しかし、「今日を無事に終えること」をゴールにすれば、機械を引きずってでも動かすという別の選択肢が見えてきます。今、一番守らなければならない結果は何か? その一点に集中しましょう。
ルールを「思考停止の道具」にしない
「汚い歯ブラシで磨くくらいなら、何もしない方が唾液の力で綺麗になるはず」……朝の私の持論です。形だけの衛生、形だけの安全確認に満足せず、「その行為にどんな意味があるのか」を常に自問する癖をつけましょう。本質が見えていれば、マニュアル外の事態にも柔軟に対応できます。
「勘(センス)」を磨くために、別ジャンルに没頭する
仕事のトラブルで削られた心は、仕事で埋めることはできません。今日、私がパンの試作で「これだ!」という香りを見つけたように、全く別のジャンルで「成功体験」を作ること。その分野で磨かれた「勘」は、必ず仕事の現場判断にもフィードバックされます。
「17回の縄跳び」を褒める余裕を、明日のために。
一日の終わり、次女が「パパ、私、縄跳び17回跳べるよ!」と報告してくれました。
フィニッシャーの修理手配や、月曜日から始まる次の工事の段取りで頭はいっぱいでしたが、私はその「17回」を全力で褒めました。
「人生終わった」と泣いていた長女も、いつの間にか笑顔に戻り、明日の準備をしています。
結局、どんなに大きなトラブルが起きても、私たちはこうして一つずつリカバリーを繰り返し、日常という舗装を続けていくしかありません。
さて、明日の朝8時は、解体現場での厨房機器の視察。新しい事業の種を拾いに行ってきます。
皆さんの明日が、形に惑わされず、物事の「本質」を掴んで軽やかに進める一日になりますように。
それでは、また明日!
