昨日は、コンサートの反省を美味しい唐揚げで上書きし、娘の「王子様になって」という無茶振りに応える一日をお話ししました。完璧なリーダーであることより、目の前の大切な人を笑顔にする役割を選ぶ。その選択が、心のトゲを優しく抜いてくれました。

しかし、一晩明ければ、現実は再びシビアな顔で立ちはだかります。 「ビジネスの核心である『仕入れ価格』をさらけ出せという、不条理な要求」 「忙しさのあまり、子供の未来を潰しているのではないかという自責の念」

今日は、**経営者としての「毅然とした拒絶」と、公園で転んだ娘への「肩車」**という対照的な出来事を通して、AIが仕事を奪うと言われる未来に、私たちが磨くべき「本当の武器」についてお届けします。


剥き出しにされる経営と、膝をすりむいた小さな冒険者

今日の午前中、私の脳内は「怒り」と「冷静な分析」の間で激しく揺れていました。 公共工事の価格調整を巡り、元請けから「仕入れ価格をすべて開示しろ」という要求を突きつけられたのです。

「企業にとって、仕入れ値は命(キモ)や。それをさらけ出せなんて、土足で踏み込まれるのと一緒やろ」

経営者としてのプライドと、中小企業の生存戦略。専門家に相談し、私は「毅然としてNOを言う」方針を固めました。守るべき一線を越えさせない。それは、組織を率いるリーダーとして絶対に譲れない戦いでした。

ところが午後、そんなピリついた私の心を一瞬で「パパ」に引き戻す事件が起きます。 公園で遊んでいた次女のあきほが、派手に転んで膝をすりむいてしまったのです。泣きじゃくる娘を前に、私はしゃがみ込んでこう言いました。

「あきほ。足を見たら痛くなるけ、見んでいいよ。パパの目を見て」

痛みの核心から目を逸らし、安心できる場所(親の目)へ意識を向かわせる。泣き止んだ娘を肩車して家路につく時、ふと、午前中に考えていた「AIと未来」のことが頭をよぎりました。

10年後、人型ロボットが現場で穴を掘る時代が来ても、転んで泣いている子供に「痛くないよ」と嘘をついて肩車をし、その温もりで安心させることは、きっと機械にはできない。

「親が子供の未来を潰しているのかもしれない」

送迎ができない申し訳なさから、ついそんな自虐的な言葉が漏れましたが、肩車の上で梅干しを欲しがる娘の重みを感じながら、私は気づきました。私が今日、彼女に教えたのは「痛みの逃がし方」であり、見せたのは「守られているという実感」だったのだと。


不条理な世界で「自分」を失わないための3つの知恵

役割の多さにパンパンになり、自責の念に駆られた時に試してほしい考え方です。

  1. 「境界線」を引くことは、誠実さの証 ビジネスでも人間関係でも、相手の不条理な要求に「NO」を言うのは勇気がいります。しかし、自分の「キモ」を守れない人は、結局誰も守れません。**毅然とした態度は、自分を安売りしないという「プロの誠実さ」**です。
  2. 「痛みのフォーカス」をずらす技術 娘に「傷を見るな」と言ったように、辛い状況にある時、私たちはその「痛み」ばかりを凝視してしまいます。そんな時こそ、あえて別の「温かいもの(家族の笑顔、趣味の音楽)」に意識を向けること。視点を変えるだけで、感じる痛みは劇的に軽減されます。
  3. 「AIにできないこと」を教育の軸にする 「IQが違うと話が噛み合わん」と嘆きたくなることもありますが、これからの時代、知識や論理はAIが補ってくれます。最後に残るのは、今日のような「共感」や「交渉」、そして「愛着」を築く力です。習い事の数よりも、「パパやママと心を通わせた経験」こそが、子供の最強の生存スキルになります。

明日は、8本のセメントと向き合う朝

「はるちゃん、荷物を持ってくれてありがとう。助かるわ」 妹のピンチにさっと動いた長女の成長に、親としての「正解」を少しだけ見せてもらった気がします。未来を潰すどころか、彼女たちは自ら未来を切り拓く強さを、日常の中で育んでいます。

さて、明後日は朝から大量のセメントを受け取る予定があります。 不条理な要求を跳ね除けた「強い心」と、娘を肩車した「優しい背中」を使い分けて、また現場という現実を平らにならしていこうと思います。

皆さんの明日が、自分の弱さを責めることなく、大切な人の「痛み」を包み込めるような、温かな一日になりますように。

それでは、また明日!